趣 意 書

 
 

放射線障害防止中央協議会設立趣意書

 近年、放射性同位元素や放射線は、医療、工業、各種の試験研究等広範な分野で多岐に亘って利用されるようになり、産業の発展、国民福祉の向上に大きな役割を果たすに至っているが、この急速な利用の拡大の過程で、放射性同位元素等を取り扱う事業所における認識の不足や安全管理の不満などから、放射性同位元素の紛失や放射線の被曝等の事故が発生し、作業従事者等の安全の確保はもちろん、今後の放射線利用の発展の面からも、極めて重大な問題となっている。
 放射性同位元素等の取扱いに関しては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 その他の関係法令によって規制されており、関係行政官庁においてこれらの法令の施行等関係行政を推進されているところであるが、放射線利用に係る安全の確保を図ることは、取扱事業所の責務であって、みずから努力すべきものであることはいうまでもなく、関係業界団体としても、関係者の認識を高め、安全管理を徹底し、障害の発生を未然に防止するよう適切な対策を検討し、推進していくことが必要と考える。
 よって、先般の科学技術庁長官の要望もあり、関係業界団体が集まり、相協力して放射線障害防止に関する自主的な活動を協議・推進していく機関として、放射線障害防止中央協議会を設立し、安全の確保に努めるものとする。

昭和49年10月15日

 
 

 

 

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