Q
&
A
令和7年度(秋期) 放射線安全管理研修会Q&A(講演者からの文書回答) |
 |
|
 |
| |
 |
|
厚労省監督下の労安法(電離則)の改正で、エックス線発生装置の規制が厳しくなります。
同じ装置でも医療で使うのかそうではない目的で使うのかは、その方法を指揮する人が医療(獣医、放射線技師、歯科医含む)関係者なのかの違いだと聞きました。
どう思われますか?
|
| |
|
|
 |
「エックス線装置に係る放射線障害防止対策に関する検討会 報告書」を読むと、そのような解釈もあり得るように思えます。
ただ、一般的に考えると「指揮者によって目的が変わる」ということはないように思います。
同報告書を私が読む限りでは、診断・治療もしくはそれに関する教育や研究で用いるかということがポイントになるように思います。
回答者:難波先生
|
|
 |
|
中央登録センターによる被ばく管理制度はご認識の通り、原子力発電所等による被ばくを管理するものでありますが、医療機関と違って複数の場所において被ばくする作業者の方々が多数おられます。
それらの方々の被ばく管理する上で、従事者指定制度がなかった場合、労働安全衛生法(電離放射線障害防止規則)上の被ばく限度(50mSv/年度・100mSv/5年度)を遵守できなくなってしまうと考えます。
本件に関し、RI法と医療法のみで言及されておられますが、電離則上の観点からを考慮するとどのようにお考えでございますか。
|
| |
|
|
 |
法律の主目的が異なると、技術的には同じ規制要求でも、法律間で主語が異なることがあります。放射線業務従事者の管理の場合、RI法と医療法は施設(サイト)の管理者(RI法は事業所ごとの許可届出等が必要なため、このように表現しています)が主語に、労働安全衛生法(労安法)では事業者(雇用主)が主語になっています。
労安法に従えば、雇用主は立ち入るサイトに関係なく管理区域へ立ち入る放射線業務従事者の被ばくを管理する責務があるので、法令上の問題は感じられません。複数の会社と雇用関係を持つ従業員については、単独の事業主で統括的な管理が難しいので、各サイトや各雇用主を結ぶハブとして中央登録センターのような仕組みが非常に有益だと思います。こうした共通ハブの必要性と線量限度の遵守は関連性が強いと考えますが、従事者指定と一対一で対応する話ではないと考えています。
回答者:難波先生
|
|
 |
|
1)有難うございました。ご努力が良くわかりました。住民の方がたへの、汚染と被ばく(線量)の相違をどのように説明されたのか教えてください。
RI規制法上で、汚染と被ばくは違った概念です。
汚染物が集まると線源になるので、非密封線源で、外部被ばくに気を地けるべきです。
汚染物を内部被ばくした場合(空気からでしょう)の相違の説明(I-131は考慮せず、自然放射線で住居で溜まるラドンも考慮せず)をどのように説明されたのか興味があります。
内部被ばくは計算ですね。すみません。
2)原発事故の後、福島の医師が放射線のことを良く知らなかったせいか、福島から別の所へ行ったという話を聞きます。
住民への放射線のリスク、安全性のお話でご苦労されたと存じますが、離脱された医師(医療従事者)への放射線そもそもの教育による意識の改革がどうだったのを伺いたいです。
|
| |
|
|
 |
ご質問ありがとうございます。1)につきまして、放射性物質の沈着により上昇した(ご質問の”汚染”はこのことを意味していると理解しました。)空間線量と外部被ばく線量との関連及び違いは、実際に双方の数値を計測することにより実感、理解していただきました。
これにより、空間線量からの外部被ばく線量推定値は計算の条件によってはかなり多めの数値になることもご理解いただけたと思います。
内部被ばくについては、測定を開始した時点でI-131はすでに減衰しており、放射性Csによる長期の被ばくが住民の方の懸念でした。
はたきがけにより捕集したエアロゾルサンプルについても、放射性Csの吸入による内部被ばく線量評価を行い(Rnは測定時には減衰)、住民の懸念である追加被ばく線量がどの程度で時間とともにどのように変化(減少)していくか等に焦点をあてて説明を行いました。
2)につきまして、医療従事者や老人ホームの介護者等が避難されたことは自治体の方からお伺いしたことはありますが、その方々についての放射線に関しての知識やリスク認識がどのようであったかは詳しくは存じません。
原子力災害時に医療従事者がどのように対応するか等については、さまざまな教育や研修の取り組みが実施されているとお伺いしております。
回答者:吉田先生
|
|
 |
|
自然界の中でセシウムの天然同位体のCs-133はどのくらいあるのか。Cs-137の除染にCs-133の同位体置換が有効と筑波大の学会発表があった。
|
| |
|
|
 |
Cs-133の天然同位体組成は100%です。私が講演で示したデータでは、地球上のCsの存在度は、6×10-4重量%です。
回答者:羽場先生
|
|
 |
|
新元素を探索する実験を行う際に、具体的に使用する核反応をどのように選んだのかを教えてください。
理論計算などに基づいて、最も起きやすいと思われる反応を選んだものと推察していますが、計算結果には不確実さがあると思われます。
「この反応を使おう!」と決断するまでには様々な検討や葛藤があったかと思います。
113番元素、119番元素のどちらでもいいですので、そのあたりの話を聞かせていただければ幸いです。 |
| |
|
|
 |
ドイツ重イオン研究所では、鉛-208またはビスマス-209を標的とし、これに鉄近傍の重イオンビームを照射して、107番から112番元素の合成に成功していました。
この手法は、冷たい核融合反応とよばれ、大きな合成確率を期待できます。
理研では、この手法に習い、ビスマス-209+亜鉛-70の反応を用いて、113番元素を探索することとしました。
回答者:羽場先生
|
|
 |
|
ニホニウムの発見について、Znイオンビームをターゲットに衝突させてできる複合核が大きいので核分裂しそうですが、α壊変しか生じないのでしょうか。 |
| |
|
|
 |
複合核の形成時、また複合核の脱励起時、核分裂が起こる確率は非常に高いです。
回答者:羽場先生
|
|
| |
 |
|
 |
|
 |
|
|