当協議会は、放射性同位元素等を取扱う皆様の認識を高め、安全管理を徹底し、放射線障害の発生を未然に防止するよう適切な対策を検討・推進していくことを目的に、関係機関が集まり、協力して自主的に活動する機関として昭和49年に設立され研修会等の諸活動を実施しております。
本研修会はその一環として、(公財)原子力安全技術センターとの共催並びに(公社)日本アイソトープ協会及び医療放射線防護連絡協議会の協賛により開催しました。特に今回は新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が延長された中で「会場集合型研修会」+「同時オンライン配信」でのハイブリッド形式で初めて実施しました。
研修会午前の部は、厚生労働省(労働基準局安全衛生部労働衛生課)電離放射線労働者健康対策室室長補佐から「電離放射線障害防止規則改正のポイント」と題して、次に海洋における物質循環と環境放射能の専門家から「福島事故で海洋に放出された放射性物質の長期広域挙動−10年間追いかけてわかったこと−」と題して興味ある講演がありました。
午後の部は、医療現場で放射線安全管理に長年携わってきた放射線診断専門医から「診療用放射線の安全管理の法制化:医療被ばくの適正化に向けて」と題して、次は、腫瘍PETイメージングを専門とする臨床医から「核医学診療の動向−腫瘍核医学を主に−」と題して共にレベルの高いリモート講演がありました。
最後の特別講演は、放射線疫学・統計学の専門家から「原爆被爆禍とCOVID-19パンデミック-その意外な共通点-」と題してリモート講演があり、エアロゾルが注目されました。
本研修会は、第一線で活躍する様々な分野における専門家を講師に迎え、時宜を得た講演で放射性同位元素や放射線発生装置等取扱事業所の安全管理に携わる皆様にとって少しでも放射線安全文化の醸成に寄与できた事を願っております。
ちなみに会場とオンライン合わせて147名の受講者をお迎えしました。
令和2年度(春期)「放射線安全管理研修会」  文京シビックホール(小)
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